【新連載】英日翻訳に関する苦労話 Part.1 「鳩の穴」

2015年9月22日追記:

記事の後半部分が失われてしまっています。恐らく2014年末にホスティング会社を変えた時に何か起こったようです。復帰次第、最新情報でお知らせしますので、暫くお待ち頂ければ幸いです。

 

 現在、レクロイ・ジャパン様(現:テレダイン・レクロイ・ジャパン様)向けに、シグナル・インテグリティ分野のパイオニアである、ハワード・ジョンション博士Dr. Howard Johnson)が書かれているアプリケーションノート「Fundamentasl of Signal Integrity」を翻訳させていただいています。


 「最新情報」にも少し書きましたが、「Fundamentals of Signal Integrity」の翻訳版である、「シグナル・インテグリティ基本」が発行された、というE-mail配信があると、レクロイ・ジャパン様のWEBサーバーへのアクセスが、最大で通常の5倍まで増えたとか・・・

  ありがたいお話しです。
 
 そう言うこともあって、今回は今まで行った翻訳にまつわるTips等を紹介しましょう。
 
●「鳩の穴」って何?

 最初にお金を頂いて翻訳をしたのは、CQ出版社から発行されてる「アナログ・テクノロジシリーズ OPアンプ大全」でした。原本はアナログデバイセズ社が発行している「OP Amp Applications」と呼ばれる1000ページ以上はある本です。当然ながら私一人では出来ませんから、CQ出版社の著者の会である「電子回路技術研究会」のメンバーの内約10名程で翻訳を始めました。

 

 翻訳を始めてみると、電子回路やOPアンプの知識だけではなく、英語圏で使われている「ことわざ」とか「日本にはないけれど、欧米では当たり前の言葉」を知っていないと翻訳が出来ない事態に陥ります。
 「OP Amp Applications」の翻訳を始めて、最初に出会った言葉で苦労したのは、「pigeonhole」という言葉です。直訳すると、「鳩の穴」ですよ。でも前後の文脈を考えてもそう言う訳は考えられないのです。
 手元にある英和辞典を引いてみても、まったく分からず、なぜこんな言葉が出てきたのかが、全く理解出来ませんでした。
 再度原文を見てみると、こんな文章でした。
 
OP Amp Applicationsから引用ここから)
So, it should be obvious that categories of op amps are like an infinite set of analog gray scales; they don’t always fit neatly into pigeonhole, and we shouldn’t expect them to.
(ここまで)
 
 この文章の前の文脈には、「最近のOPアンプは沢山の種類があり、昔なら成り立たなかった『CMOS OPアンプだけれど、高速動作が可能なOPアンプ』とか、『GB積が100MHz程度でかつ、高精度のOPアンプ』といったものがある」という文章があり、そのことから、上記の英文を訳すと、
 
「ですから、OPアンプのカテゴリは、無限の連続したグレースケールカラーのように、簡単に分類できないのです。ということは、OPアンプは、 pigeonholeの中にちゃんと入るわけではなく、設計者は「pigeonholeにちゃんとに入る」とは期待しないことです」
という「ラフな訳」が完成したわけです。
(以下、文章が切れています。復帰次第「最新情報」でお知らせします)

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