今流行の言語である「Python」を、ふとしたきっかけから学ぼうと思ったのですが、どこから手をつけて良いか分からなかったため、自身の得意分野である、電子計測器の制御をやってみようと思い立ち、その課程をここに記載したいと思います。
なお、このページでは概要を説明するのみで、Python(ディストリビューションとして、Anacondaを使います)および、VISAのインストールに関する記載はありません。これらの解説はPart2以降にて行います。
1.コンピュータによる電子計測器制御のイメージ
ザックリとではありますが、図1の様に表すことができると思います。図の左側が、一般的なプログラミング言語による制御イメージ。右側が、Pythonによる制御イメージです。
図1 コンピュータによる電子計測器制御のイメージ
コンピュータプログラムと電子計測器との間に「VISA」(Virtual Instrument Software Architecture)と言うAPIを導入することで、電子計測器が装備する物理インターフェースによる違いを吸収することができ、プログラミングの負担が大きく減ります。VISAに関しては、こちらを参照下さい。
Pythonで電子計測器を制御するためのは、「PyVISA」というフロントエンドが必要になります。バックエンドは、PyVISAの公式バックエンドである「PyVISA-py」が使えるのですが、VISAのフル機能を使えないようなので、計測機器メーカーが無償で配布しているVISAを使うことになります。
計測機器メーカーが無償配布しているVISAは、全てWindowsOS上で動作するため、必然的に、WindowsOS上で動作するPythonを導入することになります。
2.制御する電子計測器と制御用コンピュータ
制御する電子計測器と物理インターフェースを以下に示します。
・キーサイトテクノロジー ディジタルマルチメーター(DMM) 34461A(イーサーネット経由)
・キーサイトテクノロジー ディジタルストレージオシロスコープ(DSO) DSOX2041A(USB経由)
制御するコンピュータは、Windows10(64bit)搭載、Lenovo社製ThinkPad X230です。
以上で、概要説明と、制御される電子計測器、制御を行うコンピュータ環境を解説しました。
実際のPythonおよび、VISAのインストールは、次回、Part2以降で行います。