月別アーカイブ: 2010年1月

日本語版への序文と監訳者序文

 さて、前のページでご紹介した、「パワーインテグリティのすべて」には、原著の著作者である、アメリカ、ジョージア工科大学の、Dr.Madhavan Swaminathan(マドハバン・スワミナサン博士)から、日本語版への序文を頂きました。その一部をここに紹介し、全文は、PDFとしてここに置いておきます。

 
(引用ここから)
2007 年の出版当時、この本が日本語に翻訳されるとは思ってもみなかった。それを実現してくれた訳者の國頭延行、荒井信隆、川田章弘の各氏と須藤俊夫教授に感謝の意を表したい。この本で紹介しているトピックのいくつかは、日本の友人たちや同僚との議論や協力の結果として生まれたものだ。何人かの方とは個人的にも友好を深めた。ここ
に、これらの方々の貢献を、誇りと称賛をもって紹介させていただきたい。
(ここまで)
Dr.Madhavan Swaminathanが書かれた「日本語版への序文」の全文PDFは、こちらから(pdfファイルが開きます)。
 
 また、監訳者である、芝浦工業大学の須藤俊夫先生が、この本の発刊に寄せて、監訳者序文を書かれています。その一部を以下に紹介します。
 
(引用ここから)
本書の構成は、第1 章ではLSI の課題を概説することから始め、PDNやターゲットイ
ンピーダンスなどの本書全体を理解するための背景や必要な考え方を説明している。次
いで、PDNの主要な役割を果たしているプレーンの電気的挙動や、同時スイッチングノ
イズの解析にそれぞれ1 章を割いている。またモデル化のための数値解析やマクロモデ
リングなどの解析手法が紹介され、数学的にも難解な受動性(passivity)や因果律
(causality)について、具体的な説明を加えている。最後の第5 章では応用例として、パ
ワーインテグリティの課題を具体的につかむために、数多くの実例が詳細に記述されて
いる。
本書はパワーインテグリティを考えるうえで、チップ、パッケージ、ボードをどう扱
おうかという新しい試みがたくさんあり、読んでいて楽しくなる。内容の難度は高いが、
一度通して全体を読んでみることをお勧めする。随所に実際の評価基板や解析モデルが
含まれて、理解を助けている。
(ここまで)
須藤俊夫先生による「監訳者の序文」の全文PDFは、こちらから(pdfファイルが開きます)。
 
最後に、翻訳者代表として、國頭延行が「訳者あとがき」を書きましたので、その全文PDFで置いておきます。
國頭延行による、「訳者あとがき」の全文PDFは、こちらから

日本語で解説された唯一のパワーインテグリティ解説書発売

 最新情報のページでもご紹介しましたが、デバッグ・ラボ代表、國頭延行が翻訳に携わった、
パワーインテグリティのすべて」が、2010年1月20日に翔泳社様より刊行されます。
Power_Integrity_Cover.jpg この本は、2007年にアメリカで発行された、Power Integrity Modeling and Design for Semiconductors and Systemsの翻訳版です。
 
 「パワーインテグリティのすべて」は、恐らく日本で初めて刊行される、「パワーインテグリティ」に関する詳細な解説書です。以下、「パワーインテグリティのすべて」の内容をかいつまんで説明いたします。ご購入に対する参考になれば幸いです。
 
 5章で構成されており、第1章はパワーインテグリティの基本概念が丁寧に解説されています。この章を読めば、「パワーインテグリティ」、「電源分配ネットワーク(PDN)、「ターゲットインピーダンス」、「プレーン」といった、パワーインテグリティを理解するための重要なテクニカルタームの理解が出来ると思います。
 第2章は、PDNの中でも最も重要な概念である「プレーン」の説明と、「プレーン」をどのようにモデリングしてシミュレーションすべきかが議論されています。
 第3章は、同時スイッチングノイズ(SSN)が、PDNに与える影響について言及され、SSNが発生するメカニズムと、その抑制方法が解説されています。
 第4章は、PDNをタイムドメイン上で解析する為の手法を、数学的アプローチで解説しています。
 最後の第5章は、第1章から第4章までの内容をふまえ、パワーインテグリティのテクニックを駆使した応用例が紹介されています。具体的に言うと、
 
  • サンマイクロシステムの高速サーバ
  • ラムバス社の高速シリアルリンクI/Oの性能を生かすPCB設計
  • IBM社のHyperBGAパッケージの解析と実測
  • 高周波における誘電体の誘電率測定法
  • デュポン社が開発した基板埋め込み型のデカップリングキャパシタ
  • パナソニックが開発したRF/ディジタル回路混載を可能にする、EBG(Electricband Gap)構造
です。
 多少難しい内容も含まれますが、一通り読まれることをお勧めします。
 
 もしお時間がない、と言う場合は、まず第1章を読み、続いて応用例が数多く紹介されている第5章を読まれると良いでしょう。第5章を読みながら分からない内容が合ったら、その項目が書かれている章または参考文献をあたられると良いでしょう。
 
次ページに、日本語版への序文、監訳者序文及び國頭延行によるあとがきの一部抜粋と、全文PDFを掲載しました。この文書も参考になるかと思います。
 
2月1日
追記
お陰様で、Amazon.co.jpにて、好調な売れ行きをしてしております。
 
2月1日、朝6時40分現在、全カテゴリー >  > 科学・テクノロジー > 工学 > 電気工学にて、14位です。
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理工書ですので、第一刷はそれほど沢山印刷しておりません。お早めの購入をお勧めいたします。

2010年年頭のご挨拶とお知らせ

 皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2008年9月に起きた「リーマンショック」により、世界同時不況の波に洗われ、日本の電子機器製造業は、苦しい状況を強いられております。
 
 デバッグ・ラボもその余波を受け、受注が極端に減り、2009年度は苦しい一年でありました。
 しかしながら、2009年末より少しずつではありますが、受注物件があり、昨年度よりも多少ながらも「良き年」を迎えられるかもしれない、と思っております。
 
 皆様のお仕事にも少しでも貢献できれば、と思っておりますので、これまでと同様、デバッグ・ラボを宜しくお願いいたします。
 
デバッグ・ラボ 代表
國頭 延行
 
 最後にお知らせです。
 昨年1年をかけて翻訳した、「パワーインテグリティのすべて」が翔泳社様から出版されます。 
 Power_Integrity_Cover.jpg
 これは、Prentice Hall社から2007年に刊行された、

Power Integrity Modeling and Design for Semiconductors and Systems

を翻訳した物で、日本で初めての日本語による「パワーインテグリティ」の解説書です。
 
 「パワーインテグリティ」は新しい概念で、シグナルインテグリティ改善に役立つだけでなく、年々クロック周波数が上昇し続けている電子回路を搭載したプリント基板からの不要輻射を、劇的に改善可能なテクニックです。
 
 またここ数年、RF回路と高速ディジタル回路を同一のプリント基板上に混在させることを目的とした、「EBG(Electromagnetic Bandgap)構造」(残念ながらリンク切れ:2015年9月14日確認)に関する詳細な解説記事もあります。
 
 上記の本に関する簡単な解説をこちらに掲載いたしましたので、ご覧下さい。